Boy Meets Girl

予告編

COMING SOON

INTRODUCTION

ふたりの名は
アレックスとミレーユ。

ふたりはまだ
知りあっていない。

彼はすでに
彼女を愛している。

だがそれは遅すぎた――。

夢の断片のように美しいモノクロームの映像
夜のパリをさまようアレックスの恋

作家セリーヌの「なしくずしの死」をゆっくりと読む子供のような声にいざなわれ、夜のパリを彷徨うふたつの孤独な魂の出会いを描く『ボーイ・ミーツ・ガール』。親友に恋人をとられたアレックスは、恋人とケンカしたミレーユと偶然出会う。一目惚れ、そしてやがてくる思わぬ悲劇が、コップの水が静かに溢れ出すような緊張感で語られる。

フロントガラスが割れた車の母子。セーヌ川の河岸での‟初めての殺人未遂‟。デヴィッド・ボウイを聞きながら夜の街をうつろうアレックス。ゴダールの『気狂いピエロ』を思い出させる奇妙なパーティー。出会いの瞬間に割れるグラス。アレックスとミレーユの夜更けの語らい――。記憶か夢の断片のような美しいシーンの連鎖と、アレックスの詩的で独白的な語りによって、夜の闘のなかをたゆたうように物語は進んでゆく。

当時、批評家セルジュ・ダネーはリベラシオン紙で「アレックスとミレーユの視線には何か今日的なものがある。若いが迷いはなく、彼らを取り巻く世界のよそ者で、必然的に抑えられた反抗の告白」と評した。『ボーイ・ミーツ・ガール』は80年代という時代感覚を色濃く伝える、カラックスの出発点となる長編デビュー作だ。

レオス・カラックスすべての出発点
若き才能の出会いが生んだ奇跡の長篇デビュー作

撮影当時22歳だったカラックスの初長編『ボーイ・ミーツ・ガール』は、1984年カンヌ国際映画祭でヤング大賞を受賞。「ゴダールの再来」「神童(ヴンダーキント)」「恐るべき子供(アンファン・テリブル)」と騒がれ、フランス映画界の新たな若き才能として一躍注目を集めた。ル・ポワン誌で、監督は「ヌーヴェルヴァーグとアメリカ・フィルムノワールの良質のミルクで育ち」本作は「ゴダール、キートン、コクトー、そしてトーマス・マンへのオマージュだ」と論じられた本作は、コクトー、ゴダール、ブレッソン、グリフィスをはじめ、後半のミレーユの短い髪型は『裁かるるジャンヌ』のファルコネッティと言われるなど、過去の映画への参照・引用が随所に見られる。

出演は、当時新人だったドニ・ラヴァンとミレーユ・ペリエ。ドニとカラックスの出会いから生まれたアレックス(カラックスの本名でもある)は、その後、形を変えながら『汚れた血』『ポンヌフの恋人』の主人公となり、3作は"アレックス三部作"と呼ばれるようになる。

撮影はカラックスが「会ってすぐに強い絆を感じた」と語り、アレックス三部作すべての撮影を担うことになる盟友ジャン=イヴ・エスコフィエ。あらゆる白黒フィルムで画調のテストし、イルフォードHP5を採用するが、奇しくもイルフォードの高感度フィルムはゴダールのデビュー作『勝手にしやがれ』でラウール・クタールが使用し夜の撮影に革命をもたらしたフィルムだった。多くのシーンが25ミリの広角レンズで撮られたのも画面の特徴となっている。

今回の美しい4Kレストア版はテオフィルムとシネマテーク・フランセーズが2022年にオリジナルカメラネガからデジタルレストア(シネマテーク・スイスとモナコ視聴覚研究所の協力、国立映画センターとシャネルの助成のもと)、撮影監督キャロリーヌ・シャンプティエが修復を監修した。

STAFF & CAST

監督・脚本:レオス・カラックス
撮影:ジャン=イヴ・エスコフィエ/美術:セルジュ・マルソルフ/編集:ネリー・ムニエ/録音:ジャン・ユマンスキ/製作:アラン・ダアン

出演:ミレーユ・ペリエ、ドニ・ラヴァン

1983年/フランス/モノクロ/104分/日本語字幕:関美冬/配給:ユーロスペース

COMMENT

COMING SOON